眼瞼下垂症
眼瞼下垂症について
上まぶたがたるんで、ものが見えにくくなってきた状態を眼瞼下垂症と呼びます。年齢を重ねると上まぶたを開く(上に引っ張る)上眼瞼挙筋腱膜が緩んでしまって目が十分に開かなくなることがあります。これを腱膜性眼瞼下垂症と呼び、眼瞼下垂症手術の適応で、眼瞼挙筋を短縮する手術が行われます。上まぶたの皮膚がたるんで過剰になってしまって、目が開きにくくなることもあります。この場合は余剰皮膚を切除すると同時に眼窩隔膜を吊り上げる手術が有効です。
このほか、神経や筋肉の麻痺による眼瞼下垂症や、先天性の眼瞼下垂症もあり、手術の適応となる場合があります。(内科的治療が優先される場合もあります)
まぶたがたるんできた「見た目」を改善するような美容目的の場合は健康保険は適用されず、自費による眼瞼形成術の適応となります。
眼瞼下垂症手術
手術は全て局所麻酔で行います。手術の途中で、目を開けたり閉じたりするなどご協力を頂きます。
挙筋短縮法(挙筋前転法)
重瞼ライン(二重で皮膚が重なって、目を開いたときに隠れる部分)に皮切を置いて、眼瞼挙筋を短縮します。下垂の程度によって短縮する量(長さ)を調節します。術後はまぶたの腫れがかなり目立ちやすいです。
眉毛下切除(眼窩隔膜吊り上げ)術
眉毛の下縁のラインで切開し、余剰となったまぶたの皮膚を切除します。眼球の周りの脂肪を包んでいる眼窩隔膜を吊り上げて眉毛下と縫縮し、閉創します。術後の腫れは比較的穏やかです。眉毛の下縁のラインに傷跡が残りますが、時間が経てば目立たなくなります。
治療例
治療前
10月後
瞼縁皮膚切除
余剰皮膚の切除だけで良い場合に選択されることがあります。重瞼ライン(二重で皮膚が重なって、目を開いたときに隠れる部分)に皮切を置いて、余剰皮膚を切除します。傷跡が二重の皮膚が重なった部分に隠れるので、開眼時に傷跡が見えないことがメリットです。手術の後の腫れは比較的目立ちます。
手術前後の注意点
- 手術の当日は、上まぶたを大きなガーゼで被覆します。前方(特に上方)が見えづらくなりますので、車の運転は控えて下さい
- 手術後数日は、熱いお風呂、飲酒、激しい運動などは控えて、なるべく安静にして頂きます。傷口をぬらさないようにして、軽くシャワーを浴びる程度なら大丈夫です
- 術後の腫れや内出血を予防するために、手術後1~2日程度はガーゼの上から傷口をよく冷やして下さい
- 手術の翌日に傷口の状態を診察致します。抜糸は1週間後です。