スピロノラクトン
適応
成人女性のにきび
ニキビに対するスピロノラクトンの使用について
にきび(尋常性ざ瘡)は、思春期に好発することや、女性では生理前に悪化することが多いことから分かるように、性ホルモンの影響を強く受けます。にきびは、皮脂の分泌が過剰になることが病気の原因の一つですが、男性ホルモンは皮脂腺に働きかけて皮脂の分泌を亢進します。
したがって、男性ホルモンはにきび治療のターゲットの一つとなり得ますが、スピロノラクトンは抗アンドロゲン作用(男性ホルモン作用を弱める)を有する薬剤の中で、副作用が少なく使いやすいことが特徴です。
その効果については、例えば2020年の米Mayoクリニックの報告では、395人の成人女性(平均年齢32歳)を対象にした調査で、3分の2が完全な反応、85%が50%以上の改善をしています。平均13か月間の使用で、副作用は殆どみられませんでした。
スピロノラクトンの副作用について
スピロノラクトンはカリウム保持作用があるため、カリウムの摂取が多いと高カリウム血症をきたす可能性があります。このほか、倦怠感や月経不順などの副作用がみられる場合があります。
その他、血液検査で異常が見られる場合もあるため、初回投与時、および定期的に血液検査を受けて頂きます。
カリウムを多く含む食品
昆布、わかめ、海苔、ひじき、干しシイタケ、切り干し大根、高野豆腐
コーヒー、チョコレート、豆類(ピーナッツ、アーモンド、納豆)
果物ではいちご、すいか、バナナ、メロン、干し柿、びわ
健康保険の適用について
にきびの治療はディフェリンやベピオによる健康保険診療が基本となります。スピロノラクトンは、これらでは治療効果が不十分な場合の補助療法として処方致します。
にきびに対するスピロノラクトンの処方は自費診療となります。自費と保険の混合診療は認められていないため、保険診療と同じ日にスピロノラクトンを処方することはできず、日を改めて受診して頂く必要があります。
料金(税込み)
スピロノラクトン100mg(通常の一日量) | ¥110 |
血液検査 | ¥4,950 |