毎年、気温と湿度が高くなってくると、憂鬱になるのが汗とニオイ。
汗にまつわる悩みは様々ですが、暑い時に汗をかいて体温調節をするシステムは、私達が生きていくのに必要な機能の一つです。
汗は、自分で意識してかくものではありません。
気温が上昇した時や、運動して体温が高くなった時には、脳から皮膚に分布している”汗腺”に汗を出すよう指令が出されます。
また、緊張した時や気持ちが高ぶった時にも汗をかくことがあります。
☆2種類の汗腺から分泌される汗の仕組み☆
ほぼ全身の皮膚に分布する”エクリン腺”からは、主として体温を調節するための汗が分泌されます。この汗は透明で無臭ですが、何らかの原因で全身、あるいは局所的に汗の量が増えてしまうのが多汗症です。体の様々な場所に起こりますが発病のメカニズムは解明されていません。多汗症は生活の質とメンタル面に深刻な問題が生じます。
エクリン腺から分泌された無臭の汗も、皮膚の表面の垢や皮脂、ホコリなどと混じり合い、細菌によって分解されると、汗くさいニオイを発します。
一方ワキの下など、限られた場所に分布する”アポクリン腺”から分泌される汗は、タンパク質や脂肪酸などを含んで白濁しており、細菌によって分解されると独特の強いニオイを放つことがあります。
これがワキの下で起こるのが“腋臭症”(ワキガ)です。
☆欧米では体臭も個性/日本人は消臭志向☆
汗やニオイの悩みには、多くの人は市販の制汗剤やデオドラント剤、ワキ汗パットなどで対処していると思います。
ニオイの問題に関しては、日本人特有のとらえ方が根強く定着しています。
欧米では”体臭は自分の個性だから香水を使って更に魅力を強調しよう”という発想が主流ですが、日本では”何とかしてニオイを消したい”と考えるため、悩みが深くなるのです。
日本人はニオイに過敏で、ニオイに嫌悪感があったり、強い香水をつけた人に”香害だ”と顔をしかめることも。
体臭については、人種による違いもあります。
欧米人の場合、70%~80%の人に腋臭症がありますが、日本人では15%~20%しかいないため気にしてしまうのです。
汗が、仕事や恋愛を含む人間関係の構築に大きく影響することも事実なのです。
汗の問題に困っている人は沢山いるのに、美容皮膚科で相談できることはあまり知られていません。
当院では、ボトックスを皮下に注射することで発汗を抑えることができます。
汗にお困りでしたら、どうぞお気軽にご相談ください。